
それにつけてもネットと著作権問題の絡みは非常に複雑で難しい。先日久しぶりに「恐がりi-mode」を更新して、懐かしいゲームの着メロをアップロードしたのだが、こういったものの著作権はいったいどうなっているのか?
作曲者不明となっていたり、ひどいものだと既にそのゲームを開発した会社自体が消滅していたりもしており、そういったものに関してはそれほどナーバスにならずに済むが、例えばドラゴンクエストのような有名ゲームで、著作権者がはっきりしている場合はかなり神経質にならざるを得ない。僕の姿勢としては「怒られたら撤退する」といった程度のお気楽なものだが。
僕が i-modeで着メロを作る場合、耳で聞いた音を採譜して直接入力する場合と、既に作成済みのMIDIから変換する場合の2通りある。手間がかからないので、大抵昔作ったMIDIから変換するのだが、そういうときは自力で製作した物以外にも他人が耳コピして作ったものを拝借することも(部分的にだったり丸ごとだったりする)稀ではない。しかしほとんどのMIDI愛好者は、自分で採譜して自分で製作したMIDIに関して著作権を主張している。曰く「無断転載、改変禁止」などである。
しかしこれも変な話だ。完全オリジナルの曲なら話はわかるが、ドラゴンクエストのような有名な曲をコピーしてMIDIを作っておきながら、それに対して著作権もクソもないだろう。しかも初期のファミコンのように元々トラック数(3和音とか2和音)が少ないものは誰が作ってもほぼ同じものが出来上がる。重箱の隅をつつくようなわずかな違いをあげつらって「これは私が作ったものです。転載するときは必ず著作権表示をしてください」などと主張するのは片腹痛い。それは作曲者だけが言える言葉である。CGIのソースなどとはわけがちがうのだ。別人が作ってもたまたま全く同じMIDIが出来上がるということだって十分ありうるだろう。
例えばドラクエ1の洞窟の曲を作るとしよう。これは2和音である。採譜を間違えなければ(笑)、誰が作っても全く同じものが出来上がる。オリジナル性を出すためにたいていの人がトラック数を増やして、3和音、4和音にアレンジする。ではそのアレンジしたMIDIを拝借して、増やしたトラック数を元の2和音に戻したら、作者は「それはデータの改変に当たるので著作権侵害です」と言うのだろうか? 2和音で出来上がったものが、データを改変したものなのか、それとも疑いの目を向けられた人が自力で採譜して製作したものなのかは誰にも判断がつかない。それは純粋に製作者の良心にかかっていると言っても過言ではないのだ。故に「データの無断転載、改変禁止」というお題目は実効性のない建前と化している。
で、何が言いたいかというと、要するに僕はそれを隠れ蓑にずるをして楽が出来るということだ。逆を言えば僕が自力で採譜、製作したものが無断転載されたとしてもほとんど文句のつけようがないということである。MIDIや着メロの製作者のジレンマはまさにそこにある。厳密に著作権を主張するならば完全なオリジナル曲を作る以外にないのだ。しかし完全オリジナル曲を無断転載してくれる人は少ない。それはそれで寂しいだろう。
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