
アマゾンで最も恐ろしい魚は何だか知っているだろうか? ピラニア? それは間違っている。ピラニアというのは元来臆病な魚で、普通に河を泳いでいて襲われることなどまずないといっていいだろう。確かにあの鋭い歯はそれだけで危険ではある(釣り上げたピラニアの歯で怪我をするということはよくある)が、重要なのは魚の性質だ。
飼った事がある人ならわかるだろうが、ピラニアはいつも物陰に隠れており、ちょっとした振動や光線が差し込んだりすることに非常に敏感だ。ではなぜ多くの人がアマゾンの危険な魚というとピラニアを思い浮かべるのだろうか? 恐らくそれはハリウッドのパニック映画によって植え付けられたイメージによるものだろう。随分昔になるが、『ジョーズ』が流行した後に二番煎じでピラニアを題材にしたホラー映画が作られたのだ。それがそのまま事実と混同されているようだ。
では本当に恐ろしい魚とは一体何なのか。それは『カンディル』である。
カンディルというのはナマズの仲間で、種類にもよるのだが2cm〜30cmくらいの細長い体をしている。色は青みがかった白い色で、ひれなどが目立たなく、のっぺりとした薄気味悪い棒のような体をしている。目は退化していてほとんど視界は効かないらしい。こいつはその細い体を生かして、他の魚のエラなどから侵入し、内部から肉を食い荒らす。弱っている動物なども襲うのだが、その場合は肛門から侵入したり、あるいは柔らかい腹などを食い破って中に侵入する。吸盤状になっているクチ(バケツなどに入れておくと、このクチで壁面を這い登ってくるほどの吸着力をもっている)で腹にまず噛み付き、その場で猛烈に回転しながら皮膚を食い破るのだ。こいつは本当に恐ろしい。
アマゾン流域で暮らす女性にはこのカンディルの犠牲になっている者も少なくない。用足しに河に入った時に、女性器から侵入されて内臓をやられるのだ(この地方の原住民の女性は何故か腰まで浸かって放尿する習慣がある。また、カンディルはアンモニア臭に敏感に反応する)。膝下だけ河に入ったとしても危険性はそれほど低くならない。ふくらはぎなどを食い破られて足の内部に侵入されることもあるからだ。ウナギのように掴みづらい体型をしており、なおかつエラの部分に鋭い棘があるため、一旦中に入られたら後ろから引っ張っても絶対に取り出すことは出来ない。侵入された部分をナイフで切り開き、エラの棘を切り落とさない限り引き抜くことは出来ないのである。また、カンディル自身には毒はないのだが、たとえ摘出に成功しても多くの場合出血がひどくなったり傷口から感染症を引き起こしたりして死に至る。想像するだけで身震いしてくるようなおぞましさではないか。
いろんな死に方があるがこのカンディルに食われて死ぬのだけは勘弁してもらいたいと思う。ちなみに2番目に怖い魚はエイである(アマゾンには『淡水エイ』というものが棲息している)。これはめったなことでは死ぬようなことはないが、うっかり水中のエイを踏みつけてしまったりすると、毒の棘に刺されて1週間くらい死ぬほどの苦しみを味わうことになる。刺された部分は「錆びた五寸釘を打ち込まれたような痛さ」になるそうである(しかも1週間ずっとその痛さが続く)。
あー 日本に生まれてよかった♪
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