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2001年01月11日

価格

ユニクロの躍進によってアパレルの常識が崩れ去って久しい。従来アパレルというのは儲けもでかいが、はずれたときの損失もでかいと言われてきた。だから価格設定はどうしても高くならざるを得ない。その隙間をついたのがユニクロだ。売れるとわかっているものならば、安くできる。もちろんそれだけがユニクロの全てではない。企画から製造、物流まで自社で賄う徹底したコスト削減があってこそなのだが、それでも作ったものが売れなければ何の意味もない。ユニクロの凄さは「確実に売れるものを、売れる値段で売れる分だけ作る」というシステムを作り上げたことにある。

従来の「売れるか売れないかわからないけど作ってみた」というやり方には必ず「セール」というものが付随する。どれくらい売れるかわからないで作っているから、余剰在庫は値を下げて売り切るしかなくなるからだ。逆に予想をはるかに上回る売れ方をしても、生産ラインは季節ごとに決めた数量しか作っていないので在庫が尽きて(売り切れて)しまう。せっかく「これは売れる!」とわかった商品なのに、追加生産がほとんど出来ないのだ。これは販売機会の損失になる。ユニクロは売れる商品は確実に追加生産を行える体制を作り上げている。

セールを有難がって、ここぞとばかりに喜んで買うのはよく考えてみれば間抜けな話だ。有難いのではなく当たり前のことだと思わなくてはいけない。セールというのはメーカーのつたない予測のために上乗せされていた余分なマージンが取り払われたにすぎない。しかもこのセールというものがあるために消費者は買い控えをする。ますます企業の予測は立たなくなり、セールの時期以外服が売れなくなるとか、セールの売れ行きを考慮してプロパーの値段が決定されるいう本末転倒な事態が起こるのだ。

スーパーなどで日常的に行われていたのが最近になって問題視され始めたものに、「二重価格」というものがある。アパレルが行うセールは、この二重価格のタイムスパンを大幅に伸ばした販売方法と言っても過言ではないだろう。それを意識している人たちは決してプロパー(正規価格)でモノを買わないのだ。

ユニクロ以降のアパレルは適正価格というものを非常に意識している。最近流行っているのは「ツープライススーツ」だ(日比谷の『スーパースーツストア』が発祥)。スーツ専門店なのだが、値段が19000円と28000円の2種類しかない店のことである。プロパーという概念自体がなく、セールは一切行わない。1年中同じ値段である。ユニクロと同じように中間マージンを極限まで切り詰め、自社生産、自社物流、余剰在庫の圧縮、店頭サービスの簡略化で驚くような値段を実現している。これはカジュアルファッションと違って、それほど流行の変化が激しくないスーツだからこそ出来るわざである。僕も1着持っているが、スーツ自体の作りもよく、流行のシルエットをさらりと取り入れているので、UAなんかでオーダーメイドで作ったものと比べても遜色ないくらいかっこよかったりする。安かろう悪かろうではないのだ。もちろん生地は高級なスーツに比べれば値段相応ではあるが。

これは歓迎すべきことであると思う。徹底してセール以外ではモノを買わないという行動を貫いていれば、そのうちセール自体が消えてなくなるだろう。いつでも適正な価格で買えた方がいいに決まってるのだ。



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