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2001年01月08日

白き悪魔の恐怖 1

いやー昨晩は冷や汗をかいた。雪の話だ。車で営業をやっている僕にとって、降雪ほど心配なものはない。10cmも積もるようだったら、取引先に謝ってお休みさせてもらおうと思ったくらいだ。

よく豪雪地帯の人から、東京もんはちょっとの雪ですぐ大騒ぎしやがると揶揄されるが、これは仕方ないことでもある。年に1回か2回の雪のために普通は万全の準備などしないからだ。毎年大手町のオフィス街で滑って転んでいる人の映像がニュースで流れていて思わず笑ってしまうが、あれも「なんでこんなに雪積もってるのに革靴で歩いてんだよ。そりゃ転ぶに決まってるっつの。滑らない長靴履けばいいじゃん」と思いつつ、「いや長靴とか普通持ってないもんなぁ」となる。東京という都市は全く雪を想定していないのだ。

数年前の大雪の日には御茶ノ水の明治大学前の坂(500メートルくらいある長い急勾配)で、数台の車がクラッシュしていた。全く前に進めなくなり、立ち往生している車はその倍くらいいた。例え自分ひとりが万全の装備で雪道に挑んだとしても、東京ではその危険性が激減するわけではない。回りには一度も雪道を走ったことがなく、チェーンのつけ方もわかっていないドライバーがゴロゴロしているからだ。そんな車にもらい事故を食らった日には、僕などはおまんまの食い上げとなるのである。

と、前フリはこのへんにして例によって昔話にしよう。まだ雪道の危険性を知らなかった……、というより雪道の危険性にあえて無謀に突っ込むことで女の子の気を引くようなバカな真似をしていた大学生時代の話である。

車3台に分乗して軽井沢への1泊旅行。とても楽しい思い出になるはずだったのだが、自然は人間など愛していない(謎)ということを思い知らされた。

確か12月くらいだったと思ったが、その日は快晴で雪が降る心配はほとんどなかった。峠の方では天気が変わりやすいので、突然降られるという可能性もあるが、「まあ そのときはそのときだ、道中のガソリンスタンドでチェーンを購入すればなんとかなるだろう、大体そんなに奥まった所に行くわけでもなし、道はほとんど除雪されているさ」とタカをくくって何の装備もなしに出発したのだった。車3台の内訳は、1台が4WDのオフロード車、1台が非力なFF車、もう1台が僕が運転する排気量3500ccのちょっとでかいFR車である。ちょっと車に詳しい人ならもうこれだけで先が読めるだろう。

青空の下、順調に車は高速道路を抜けた。一般道に入り峠に向かう。ここで若干雲行きが怪しくなってきた。しかし道路にも路肩にもその向こうの山肌にも雪は一切ない。この分ならなんとか宿までたどり着けるだろうと安心していたところでついに悪夢はやってきた。雪だ。それも「空のどこにこんなに沢山の雪が隠れてたんだよ!!」と思わず怒りたくなるようなすごい降り方である。あっという間に路面を雪が覆う。そして路面が白くなっていくのを鏡で映すように僕の顔面も蒼白になっていった……。

つづく。



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