冷麺のトップに戻る

2001年07月26日

千と千尋と子供の頃の自分の神隠し

僕がリサーチした限りでは『千と千尋の神隠し』は結構評価が低かった。よくて「まあ それなりに面白い」といった程度。今回何か言い知れぬ期待感がひしひしと押し寄せていただけに「あれ?」といった感じだった。で、観てきた。

結論。めちゃくちゃ面白い。

期待通りの素晴らしい映画だった。文句をつけたくなる部分も若干あったが、それがどこだったのか忘れてしまうくらい面白かった。

宮崎映画はほとんど全部観ている。監修したものはいくつか見逃しているが、監督作品は全て見ている。おこがましくも順位をつけると、まず別格に『カリオストロの城』がある。これはあまりにも素晴らしすぎて、他と比べる対象にない。ちなみに僕はこの映画を200回近く観ている。で、『カリ城』を除く第1位は『風の谷のナウシカ』。これに異論はあるまい。第2位は『天空の城 ラピュタ』。第3位が『となりのトトロ』である。

『千と千尋の神隠し』は初登場第3位につけた。僕の中では『トトロ』を超えている。もしかしたらゆくゆくは『ラピュタ』を抜いて第2位に浮上するかもしれない。

『もののけ姫』を観たときに最も感じたのは「なんか声優陣、終わってる……」であった。特に主演のサンの声をやった石田ゆり子がひどくて、全然感情移入出来なかった。他もほとんどダメダメで、アニメの肝はやはり声優なんだなと改めて感じた映画であった。名の知れた女優、俳優であっても、声優として優れているかは未知数で、やらせてみないとわからない。きっと宮崎監督は「あ、石田と森光子と小林薫と森繁久彌と田中裕子はは失敗だったな」と思っただろう。……ってほぼ全員だし。

『千と千尋』は声優が皆素晴らしい。アニメ向きにとても張りのある声の人たちで、何の違和感も感じることなく映画に没頭できた。特によかったのはハク役の入野自由(いりのみゆ ♂)で、なんとこの子は中学2年だそうだ。『ナウシカ』のアスベル(松田洋治 タイタニックのディカプリオの吹き替えもこの人)を彷彿させる素晴らしい声の持ち主で、将来がとても楽しみだ。松田洋治もアスベル役をやった時は17歳のまだ無名の子役だった(前年に『家族ゲーム』という名作に出ていたが)。入野君も松田洋治のように大成してもらいたい。

千尋役の柊留美も10歳の女の子の感性をよく出せていたと思う。この子も中学2年だそうだ。

そして不思議の町にちりばめられたありとあらゆるアイデアが、いくら誉めても誉めきれないくらいよかった。雨が降ると周りが海になってしまう。上層は夏なのに、下層は冬になっている。数え切れない風呂の全てをたった1人の6本腕のじじいが管理している。ばばあがマントを纏うと鳥になる。生首が動きまくる。式神のようなお札が竜を襲う。身の丈3メートルを越す巨大な赤ん坊が部屋を破壊する。神の食事を食べてしまった両親が、魔法によって醜い豚に変身させられる。食った相手の能力を自分のものにするカオナシのストーカーぶり。腐れ神の正体が、ゴミで汚された有名な河の神であること。名前を奪うことによって相手を支配する。石炭を運ぶススワタリが意外に怠け者である。どこに行くとも知れぬ電車からの風景。湯女たちが寝泊まりする宿舎の布団がいかにも湿っているように見える。

なんだか小さい頃に見た夢の世界がまるごと映画になっているような感じがした。雑多で猥雑で複雑な湯屋は正に僕の悪夢そのものの姿だった。DVDになったらすぐに買おう。きっと何回見ても飽きないと思う。

青蛙役の我修院達也(!!)は宮崎監督に出演依頼を受けた時、「鮫肌男と桃尻女の時の山田の声で演じてくれ」と言われたそうである。ここらへんも要チェックである。

ん〜。なんでみんなこの映画つまらないって言うの?

千と千尋の神隠し (通常版)

千と千尋の神隠し (通常版)

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2002/07/19
  • メディア: DVD



Amazon.co.jpアソシエイト

楽天

MENU

冷麺最新5件の記事

冷麺最新3ヶ月


Amazonトップセラー