
今年に入って既に6台の携帯電話を購入しているのに、まだ買おうとしている。
いつも僕は機種変更時に正規の手順を踏まず、「乗せ換え」という方法をとっているのだが、最近この方法がかなりやりづらくなってきた。実害を被る販売店が自衛手段として、6ヶ月以内の解約には違約金を請求するケースが多くなってきているのだ。
「乗せ換え」の方法については、恐がりiモードの機種変更の裏技というコンテンツに詳しく書いてある。この方法はいろいろなメリットがあるのだが、DoCoMoから販売店へのインセンティブが支払われなくなるため、販売店にとっては頭の痛い問題となっている。知っている人には退屈な話だろうが、今日はこのインセンティブの仕組みを詳しく書いてみよう。長くなりそうだが。
「インセンティブ」とは売上報奨金の事で、販売店が携帯を売った台数に応じて、キャリア(DoCoMo)から販売店に支払われる。
一時期、PHSが1円で販売されていたことがあるのをご記憶だろう(今でもあるのかもしれないが)。「1円で売って儲け出るのかな?」などと素朴な疑問を持った人もいるかもしれないが、1円で売って儲けが出るはずがない。販売店は1円で売るどころか、ただでもいいから数をさばけば、その分キャリアからインセンティブが入ってきて儲かるのである。しかし無料でばらまくと「販売実績」とならないから形式上「1円で売った」という事にしていたわけだ。
ではそこまでしてキャリアは儲かるのか? と言えばこれは儲かるのだ。携帯端末がユーザーの手元に渡りさえすれば、ユーザーは必ずこれを使用する。そうすると通話料の方で元が取れるというわけだ。
猿でもわかる理屈だが、販売店にとっては濡れ手に粟のシステムである。ただしそれは放っておいても携帯が売れた時代の話だ(光通信社の躍進と没落は記憶に新しい)。今はもう携帯端末は飽和状態で、たとえ1円であっても欲しくない人は買わない。そういうわけで、インセンティブは徐々に見直されていて、そのせいで最近の携帯端末は以前と比べるとかなり高価になってきているのである。
とは言え、未だにこのインセンティブは販売店の命綱であって、なくなってしまったら死活問題だ。仮にインセンティブが一切なくなってしまったとしたら、携帯端末の値段は跳ね上がり、ただでさえ売れなくなってきているものがますます売れなくなる。
で、前述の「乗せ換え」というのは要するに、新規契約で買ったばかりの携帯をその日の内に解約してしまうということなので、「インセンティブを支払ってでもユーザーの手元に携帯を渡せば、必ず通話料で元が取れる」という図式は崩れることになる。こういうケースにまでインセンティブを支払ってしまうと、キャリアは破産してしまう。なので、キャリアは販売店に対して、「新規契約者が6ヶ月以内に解約した場合はインセンティブを支払わない(もしくは返還してもらう)」という契約を交わしている。
だから販売店は小売の際、「6ヶ月以内の解約お断り!!解約した場合は違約金を支払っていただきます」となるわけだ。
まさか恐がりiモードのせいではないだろうが、最近この「乗せ換え」はかなり有名になってしまい、買ったその日に解約する人が続出しているらしい。そのため、以前はうるさいことを言わなかった販売店までもが、必ず「すぐに解約はしませんよね?」と念を押してくるようになった。僕も先日P503isを購入した時、実際に3軒の販売店で断られた。妙な話だ。携帯を欲しがってる消費者に対して、売るのが商売の販売店が「あなたには売れません」と言ってくる。僕の携帯購入履歴はDoCoMoのデータベースにしっかりと記録されており、それを照会されると「あ、こいつはすぐに解約するな」とバレてしまうのだ。いわゆるブラックリスト入りだ。法的に何ら悪いことはしていないのに、要注意人物というレッテルを貼られる。どう好意的に見ても気分のいいものではない。
このとんちんかんな現状をなんとかしてもらいたい。
携帯電話には白ロムと呼ばれるものがある。解約済み、もしくは元々番号が入っていないまっさらの携帯の事である。契約を結んでいないので通話出来ないし、当然通話料も基本料もかからない。これをDoCoMoショップに持ち込むと、新しい番号を乗せたり、古い携帯から番号を乗せかえることが出来る。
根本的な問題を解決しないことには、結局ネットオークションでこの白ロムが人気を博すという、「問題の地下潜航化」が起こるのだ。問題の元凶は「端末はばらまきさえすればいい」と考えていたキャリアの経営方針にある。常識はずれの高額なインセンティブはそこから生まれた鬼っ子だ。
と言いつつ、毎日せっせとオークションで白ロムを漁っている。まったくあさましい。餓鬼だ。
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