
今日は予告どおり『ピクミン』のシステムについて。
任天堂が出すゲームは例外なく操作系がすっきりと合理的で、違和感を感じることはまずない。DQを作る際に堀井雄二氏が口を酸っぱくして言っていたが、「プレイヤーに意識させないというのは当たり前のようなことで、実は最も大事」なことだ。ファンには申し訳ないが引き合いに『デビルメイクライ』を出すと、このゲームのアイテム選択の方法は操作系に難がある。スムーズなゲーム進行をぶつぶつと断ち切る最悪の方法である。
『ピクミン』も任天堂の伝統に則り、非常にスマートな操作系を備えている。また、ゲーム開始直後からすんなりとゲームの操作に慣れるように、いろいろと前フリみたいなものがあって、「やらされている」と意識することなく操作に馴染むことができるようになっている。説明書など一切読まずとも、ゲームを進めることが出来るのだ。ゲームキューブのコントローラーの良さを最大に引き出し、尚且つ複雑な操作を意識せずに手が勝手に覚えていくという理想の操作系である。この部分120点。『ポピュラス』のようなアイコン選択式を家庭用ゲーム機に持ち込むのは、ゲームメーカーの恥である。他メーカーは任天堂を見習ってもらいたい。
前回『ルイージマンション』をレビューしたとき、「グラフィックは確かにGCじゃなくては表現出来なかっただろうが、ゲームの本質的な部分はNintendo64でも十分可能だったはずだ。GCの本体同時発売ソフトとしては物足りない」みたいなことを書いた。『ピクミン』こそ正にGCの性能がなくては実現し得なかった最初のゲームと言えるだろう。
ピクミン達は同時に100匹まで地上に配置することが出来る。しかもこの100匹にはそれぞれ全部違った命令を与えることが出来る。一度命令を下されたピクミンは、どれだけ遠く離れた位置にいようとも(要するにプレイヤーの目に見えない場所ということだ)、しっかりと命令を遂行する動作を続けている。2Dゲームでありがちなのは、書割のような敵キャラが主人公の到着を石のようにじっと待っていて、主人公が現れた途端に命を吹き込まれたかのように突然動き出すというものだ。つまり主人公がいない場所ではゲームは進行していない。正確に言うと「主人公がいない場所」というのは「この世に存在していない場所」ということである。『ピクミン』はフィールド全てでゲームが進行している。それぞれのキャラは正に生きて活動しているのだ。
100匹のピクミンをそれぞれ個別に動作させ続けるというのは相当なマシンパワーが必要だ。Nintendo64だったら間違いなく処理落ちしてしまい、スローモーションのようなプレイ画面になっていただろう。『ピクミン』でもごく稀に(超巨大なキャラが登場したときなど)処理落ちが起こるが、ほとんどないと言っていい範囲だ。しかも巨大キャラ登場時はかえってスローモーションの方がかっこよかったりするので、全然気にならない。この部分100点。
何より『ピクミン』を評価したいのは、今まで(家庭用ゲーム機には)全くなかった新しいタイプのゲームだということだ。ゲームの本質はルールであり、ルールを創造することがゲームを作るということに他ならない。他人が作ったルールの上に新しいキャラを配置するだけなら、ゲーム屋などやめてCGクリエイターにでもなるべきだ(もちろんCGクリエイターを貶すわけじゃないが)。この「新しいルール作り」に見事に成功し、面白いゲームに仕上げた任天堂に拍手を送りたい。総合得点100点。やるべし。
おっさん化したゲーマーには100時間にも及ぶ1本道のストーリーを享受する時間的精神的余裕はない。最近のゲームは大作主義を目指さずにコンパクトにまとめる傾向があり、1回あたりのプレイ時間が1〜2時間で済むものが多くなっている。『ピクミン』もそういった意味で気楽にプレイ出来る。これは非常にありがたい。超大作は1年に一回で十分だ。
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