
人はどうしてこんなにも残酷になれるんだろう? 匿名性を盾に不特定多数を狙った犯罪に巻き込まれたことがある。いきなりセンセーショナルな文句で興味を誘ってみてすいません。しかしあの時ほどやり場のない怒りに震えたことはなかった。僕はその日ラブホテルにいたのだった。
いつもだったらホテルでは頭なんか洗わずにさっさと寝ちまうんだが、その日に限って僕はゆっくり風呂につかって頭を洗うことにしたのである。ホテルには備え付けのシャンプーがある。リンスインシャンプーってやつ。勢いよく数回プッシュして頭を洗い始める。ん? 泡立ちが少ない。なんか変。つーか絶対変。異変を察知した僕は途中で洗うのをやめ、シャワーで流した。風呂を出てドライヤーで頭を乾かす。はい決定。やられました。天然のバサバサ成分配合。またの名を精子インシャンプー。こみあげる怒りを必死で抑え、もう一度風呂に入る。頭をしつこくシャワーで流す。しかし落ちないのだ! いくら流しても落ちない! 代わりのシャンプーはないので仕方なくあきらめることにした。ほとんど全泣きである。女性に怒られるかもしれないが、あの時初めて「レイプされるってこういう気持ちなのかも」と思った。まさに屈辱。それ以来備え付けのシャンプーには細心の注意を払って接するようになった。
話は変わるが恒例の年末旅行で四万温泉("しまおんせん"と読む)に行ったことがある。雑誌『じゃらん』で見た露天風呂がなかなかよさげだったので決めた宿である。しかし宿代が異常に安いことにまず気付くべきだった。部屋は最悪のボロボロ。料理はゲロまず。風呂も露天とは名ばかりの小汚いただの吹きっさらし風呂。全く写真なんてあてにならないものだ。文句を言っても仕方ないので入ることは入ったんだが、そこでまたひどい目にあった。
僕ら3人の他に随分とお歳を召したおじいちゃんが入っていたのだが、そのおじいちゃんがなんと風呂でうんこしちゃってたのである。プカプカと浮かぶ黄土色の物体を見て我が目を疑った。しかしそれはまぎれもなくおじいちゃんのうんこ。おじいちゃん心なし気持ちよさげ。僕らは慌てて風呂から逃げ出し洗い場に向かった。体を石鹸で念入りに洗い、備え付けのリンスインシャンプーで勢いよく頭を洗う。そこで気付いた。
また天然のバサバサ成分配合じゃん!!!!
単にシャンプーが古すぎて変質してたみたい。あの旅館、多分5年くらい同じシャンプー置いてあるんだろうな……。
オチのピークが分散しててすいません。あー謝るよに影響されまくり。すごい伝染するね、この口調。
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