
岩手在住の母方の祖父が肺気腫で倒れた。85歳。もういい歳だ。ケアする側の祖母の方まで風邪と過労で入院してしまったため、はるばる東京から僕の母と叔母が付き添いに行っている。肺気腫という病気(病態?)についてちょっと書いておこう。喫煙者必見。
肺気腫の最大の原因は喫煙である。これは間違いのないところで、非喫煙者にはほとんどこの病気に罹る人はいない。症状の差こそあれ、喫煙者はほぼ100%肺気腫になると思っていた方がいいらしい。メカニズムとしては、喫煙によって化学物質が体に入る→白血球が異物攻撃のために蛋白質分解酵素を生成→自分自身の肺胞が破壊されてしまう→呼吸困難になる……ということだそうだ。分解酵素に対する防御機構がうまく働かない(攻撃と防御のバランスがとれていない)人というのが先天的にいて、その割合は15%だそうで、こういう人は若いうちに肺気腫が進行してしまう。一旦破壊された肺胞は再生が不可能なので、根本的な治療法はない。
40歳台前半くらいまでに肺のCTスキャン検査を受け、肺気腫の所見が認められたらただちに禁煙する必要がある。ただし、先に述べたとおり体質的に肺気腫が進行しやすい人は全体の15%である。変わらず吸い続けても肺気腫がなかなか進行せず、結局寿命まで呼吸困難に陥らないという人もいるわけだ。
肺胞が破壊されていくと具体的には肺がスカスカになり、且つパンパンに膨らんでしまう。外科的治療法としては肺の移植をするか肺の一部を切り取るという方法がある。元々「あんたがタバコ吸いつづけたのが悪いんでしょ。自業自得でしょ」ということと、高齢者に多い病気なので難しい手術をするよりは対症療法で症状を緩和する方がいいということと、ドナーが圧倒的に不足しているということで、現実的にはほとんど移植の例はない。また、肺を切り取るというのは逆転の発想で、「パンパンに膨らんじゃって苦しいのだから、肺を切り取って小さくしてあげれば呼吸しやすくなる」というなんとも消極的な治療法である。ゆえにこれも滅多に行なわれる事は無い。つまり高齢で肺気腫が進行したら(呼吸困難などの自覚症状が現れたら)、もう手遅れ。打つ手はほとんどないのだ。騙し騙し付き合っていく他ない。
肺ガンも恐いが肺気腫はさらに現実感がある恐い病気だ。煙草を吸う人はそれなりの覚悟を持たねばならない。苦しんで死ぬか安らかに眠るか、自分で決める事が出来る。蛇足ながら付け加えると、こういった事実を聞かされても煙草を吸い続けることを選択する人の方が多いそうである。僕もその道を選ぶような気がしている。
祖父の顔を久しぶりに見に行かなければ。もう何年会っていないだろう。
MENU
冷麺最新5件の記事
冷麺最新3ヶ月
Amazonトップセラー