
現行法の範囲内でゲーム販売の支配権を握ろうとしたゲームメーカーの言い分は無茶苦茶であった。これは間違いない。ゲームソフトが「映画の著作物」であり、頒布権が存在すると規定する事自体に無理があった。しかし現行法に不備があることもまた間違いない。ゲームは「ゲームの著作物」として頒布権までは行かないまでも、それに類する権利を保護してやる必要がある。ゲームメーカーは裁判で中古販売業者と感情的なしこりを作るよりも、法整備に向けて国会に働きかけた方が良かったのではないだろうか? 「ゲームソフト販売」などという凡そ国会のおっさんたちとは無縁な世界のために政治家が動くとも思えないが、そこはそれ、いくらでもやりようはある。「デジタルコンテンツ販売」などと名前を変えて、他業界を巻き込んで包括的に取り組めば、言葉の響きにほだされておっさん達が動かないとも限らない。現に森(失言野郎)元首相が盛んに言っていたではないか。「あいてーあいてー(IT IT)」と。
この判決によって中古販売大手が頭に乗り、「今後一切中古ソフト販売においてゲームメーカーにフィードバックを行なうことはない」などと言い出したら元も子もない。判決の雲行きが怪しかった頃は「売上の何%かを自主的にゲームメーカーにフィードバックする」という案が中古業者の方から出され(パーセンテージはゲームメーカーには承服しかねる程度だったようだが)、ある程度の話し合いが進んでいたのだ。しかし中古業者が最高裁判決という究極の免罪符を手にした以上、これも反故になる可能性は高い。これはいちユーザーとしての僕らの将来にも暗い影を落としていると言っていいだろう。中古販売が大きな顔をして業界の財産を食い潰せば、いつか必ず地盤沈下が起こる。いやもう既に起こっているかもしれない。
聞けば『名探偵コナン』の発行部数は9000万部を超えているそうだ。何巻にも分かれているし、価格自体も違うから単純には比較出来ないが、宇多田ヒカルのCD800万枚、ドラクエ300万本と比べても桁違いである。この状況をどう見る? 才能ある人材は確実に漫画の世界に取られてしまうということだ。
判決が出たせいで中古販売業界は一時活気づくだろう。新規に参入するところもいくつか現れるだろう。そのせいで過当競争が起こり、結局はゲームメーカーにフィードバックを行なうよりももっと利益率が低くなるに違いない。自分で自分の首を絞めていることに何故気付かない。何故業界全体が盛り上がるような仕組みを作ろうとしない? バカだ。アホだ。日本が世界に誇れる最大最強の産業はゲームなのだ! もっと大事に育てていけよ。
というわけで「ゲーム? 子供の遊びだろ?」とタカを括ってる国会のおっさん達は早急に著作権法の見直しをせよ。ゲームを「ゲームの著作物」と認め、作者の権利を最大限に保護せよ。そして中古業界をも潤すような美しい法を作れ。言いたい事はそれだけだ。けっ!
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