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2002年06月15日

物語としての競馬

「いいか? 坊主。競馬なんてものはなぁ、人間のやるもんじゃねえ。ありゃあ馬がやるもんだ」でお馴染みアニです。こんちわっす。

長いものに巻かれる体質とか流行モノにすぐ飛びつくミーハー体質からはなかなか抜け出せないものであります。今はもうサッカー一色ね。で、W杯終わったらサッカーのサの字も出ませんから。そんな感じで10年くらい前までは僕は競馬に狂っておりました。今じゃダービーすら買わないのに。

僕は一時期(数年間だったと思います)中央競馬の全レースの馬券を買うというキチ○イじみた競馬との付き合いをしておりました。土日の1Rから最終Rまで全部です。夏の地方開催だと土日で48レースになったりしますよね。それぜーんぶ買ってたのです。バカです。金曜に競馬新聞を購入し、1日中新聞とにらめっこをして、土曜の朝にまとめて全レース買います。そんでまた新聞買ってにらめっこ。日曜の朝にまたまとめて全レース買い。もちろん資金はそれほど潤沢ではありませんから、ひとつのレースにつき1000円くらいしかつっこまないんですけど。大体3点から5点くらい、1点につき100円200円のお遊びです。しかしね、これ計算すればすぐわかりますが、1日12Rとして12000円。土日で24000円。1年は52週間ですから年間にすると124万円。重賞なんかは当然額が増えますから、少なく見積もっても年間で200万円は競馬につっこんでたわけですよ。正にちりも積もれば山となる。

ハズレ馬券を溜め込んでいたので、1回全部計算してみたんですが、軽く数百万円は負けていました。こわっ! それ以後は恐くて計算出来なくなりました。もちろん勝って儲けたレースもたくさんあるんですが、そういうのは馬券が手元にないんで、収支がいくらになるのかは全然わからないんです。マメにノートに収支をつけてる人もいましたが、僕はそういうのずぼらなんで。多分数百万負けて、数十万しか勝ってないんじゃないかな……。

しかしこの買い方は競馬を楽しむには最高の方法だったと今でも思っています。オグリキャップが脚光を浴びていた頃、正に今の俄かサッカーファンと同じような俄か競馬ファンが一杯いたんですけど、そういう人たちってG1しか買わないんですよね。それでは競馬のほんの一部しか楽しめません。新馬戦からしつこく追って、レースにちりばめられた馬のストーリーを頭に叩き込んでこそ競馬は楽しめると思うのです。具体的に言うと血統のストーリーとか、ライバルとの名勝負とかのストーリーです。馬が走ってるのを見て馬券買うだけだったら単なるギャンブルです。僕は競馬をギャンブルとしてではなく、個々の馬が持っている物語を読むためにやっていたと思うのです。馬券購入費は物語を読むための購読料というわけです。G1で華々しく活躍する馬の物語の陰に、彼らに敗れ去ったたくさんの個性ある馬の物語があるのです。

サッカーでもほぼ同じです。メキシコオリンピックの銅メダルや、ドーハの悲劇という物語を知っているからこそ今日のW杯決勝進出の重みが味わえる。選手の素晴らしいプレイを見て楽しむのもいいでしょうが、僕はそれが後世まで語り継がれていく過程を楽しみたい。物語を読みたい。マラドーナの5人抜きの伝説を超える物語を読みたいんです。

ちょうど中央競馬の売上が絶頂期を超え、急速に勢いを失っていった時期と同じ頃に僕の競馬熱も冷めていきました。最初に書いた通り今ではダービーすら興味なしです。ダービーだけ馬券を買っても出走する馬たちの物語を読むことは出来ません。そいつらに勝てなかった何千頭もの馬を知っていてこそ彼らの輝きが増すのです。そう考えると僕のサッカーの楽しみ方は全然ダメダメだな〜とか思います。日本以外のチームは全然知らないから。

なんでいきなり競馬の話を書いたかと言うと、PATの入会資格が当たっちゃったんです。破滅への階段、全速力で駆け抜けるぜ! こわっ!



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