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2002年07月13日

あなたにも同じ事が起こるかもしれない

恋人と旅行の帰り、高速道路のパーキングで休憩を取ることにした。トイレに向かう彼女。自分は喉の渇きを覚え、売店に飲み物を買いに行く。車に戻り彼女を待つ。十数分待つが彼女は戻らない。化粧室とはよく言ったものだ。女のトイレと出発の準備はとにかく時間がかかる。長時間の運転で疲れを感じていた僕はいつのまにか眠りに落ちていた。どれくらいの時間が経っただろうか。体の節々に痛みを感じて目が覚める。暗い。日が落ちている。まわりを取り囲んでいた車がほとんどいなくなってパーキングはがらんとしている。ほんの少しの仮眠に感じたが数時間が経っていたようだ。突然我に返り飛び起きる。助手席を見る。いない。彼女がまだ戻っていない。いや、寝ている自分を気遣って起こしてくれなかっただけかもしれない。食事にでも行っているのかもしれない。いくらそう思い込もうとしても不安は消えなかった。いてもたってもいられずパーキングの売店に向かう。いない。またトイレかもしれない。勇気を出してトイレから出てきた女性に話し掛ける。「すいません、知人がもしかしたらトイレで倒れてるかもしれないんです。中を見てきてくれませんか?」訝しげにこちらを見ていた女性は、僕の形相にただならぬ雰囲気を感じ取ってくれたようだ。すぐに踵を返してトイレに向かった。じりじりと外で待つ。煙草を喫って心を落ち着かせようと試みる。オイルが切れているようだ。ライターが点かない。煙草とライターを力任せに地面に叩き付けたが、それは焦りをふくらませるだけだった。

「ごめんなさい。くまなく探してみましたけどいないみたいです。鍵がかかっているところも全部中の人に声を掛けてみました」

くそっ! 目に汗が入ってきやがる。暑い。なんて暑さだ。……いや、目の前の女性は全く汗をかいていない。パーキングの裏手の斜面では草むらが風に揺れてざわめいている。静かな夜だ。星も見えない。落ち着け。焦ってるだけだ。車に戻ってもう一度よく考えろ。無駄だとわかっていたが携帯に手を伸ばした。彼女の短縮番号をコールする。鳴っている。車に戻る足取りを早めた。着信音がかすかに聞こえてくる。車のドアを開け、助手席に置かれた彼女のかばんから虚しく流れる着信音をいつまでもいつまでも聞いていた。

それから1年以上が経つ。彼女の両親にも一切連絡はない。事件の翌日、警察の捜索によってトイレの中から彼女のものと思われる爪が2枚見つかっている。血液や肉片がついていたことから、爪は指から直接引き剥がされたと見られている。彼女の両親が1枚、僕が1枚を貰い受けた。その爪を持って今日も僕はパーキングに向かう。彼女を必死になって探しているつもりが、いつのまにか墓参りに来ているような気分になっているのに気付くことがある。生きているのか死んでいるのかすらわからないのに、墓参りもないだろうと、独り言を呟きながら車を走らせる。


夜中、いつにない寝苦しさで目が覚めたら首に女の髪の毛がごっそり巻きついていました。ぎゃっ!でお馴染みアニでした。こんつぁ。何かの映画で見たんだか、友人から聞かされたまことしやかな都市伝説だか、あるいはそれらがごっちゃになってるんだかわからないが、怖いなーと思うシチュエーションでした。あるいは未来日記。ぎゃっ!



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