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2002年08月20日

美容の真実

どこぞの高校生が美容室で脱色して染めたら、化学ヤケドを負ってハゲてしまったっていうニュースがあったね。3年間の治療の甲斐なく長さ7cm幅1.4cmのハゲと共に生きていく事になった男の子の心中やいかに。そのせいで学校も不登校気味になり自殺まで考えたそうだ。南無。

ニュースのポイントはこの男子高校生(もう卒業したのかな?)が女性と同等の賠償金(約2000万円)を美容室オーナーに請求したというところになっている。交通事故なんかで顔に傷を負ったりすると、男性より女性の方が多額の賠償金を手に入れられる事になってるんだと。なんかこれ、前時代的だよね。この男の子の言う通り、女性であろうと男性であろうと容姿を物理的に傷つけられたら同じくらいキツイって。

ま、そこらへんの議論は置いといて、僕の専門の美容の方の話をしようか。何年か前に、有名なカリスマ美容師が実は無免許だったっていう話があったよね。原宿のAQUAっていう美容室。週刊誌に叩かれて泣きそうな顔してたのが印象的だった。あの事件以降、盛り上がっていたカリスマ美容師ブーム(?)は立ち消えになっちゃって、美容業界は苦戦を強いられる事になったんだよ。保健所の立ち入り検査もすごく厳しくなった。ここだけの話だけど、いい歳こいて従業員から「先生」なんて呼ばれてる美容師の何割かは確実に無免許だからね。AQUAの話は氷山の一角でしかない。

諸君らは髪染めた事はあるよね? その時「パッチテスト」っていうのやった? 多分やってないよね。腕にちょびっとだけカラー剤を塗って、絆創膏を貼って一晩寝かせた後でカブレがないかどうかを調べるのがパッチテスト。本来ならばパッチテストっていうのは染毛前に必ず行なわなければならない美容師の義務なんだよ。でもさ、「さあ今日は髪染めるぞー」なんて意気込んで来たお客さんに「すいません、本日いきなり染める事は出来ません。まずパッチテストを行なって翌日じゃないと出来ません」なんて言ってたら商売になんないじゃん。だからやんないんだよね。稀にアレルギーを持ってる人がかぶれて大変な事になる。顔が腫れあがって熱出すの。正直シャレにならんくらいひどい顔になる。

例のニュースでは「まだ免許を持っていない見習の従業員が脱色を行い、地肌に直接薬液を塗布してしまった」とあるけど、こんなもん日本全国毎日数万人はやられてるからね。カラー剤の選定自体は難しいけど、そんなもん上の人間が指示してしまえば後の塗布はド素人だって出来るし。実際カラー塗布の作業はほとんど下っ端の仕事になってるわけ。で、下っ端だから当然塗布も下手。地肌から数ミリ離すのが一応セオリーだけど、べたべた地肌に直接塗るヤツの方が圧倒的に多いからね。ニュースの男の子が過敏な体質だったことは間違いないけど、それにしたって美容室の安全管理がずさんすぎるんだよ。

美容師の格付けってのは、カットテクニック、カラーテクニック、パーマテクニック、センスの4つで決まっちゃうわけで、薬液の化学的知識をしっかり持ってる人ってのは実はほとんどいないんだ。極論すれば洋服屋の店員さんが薬剤師の仕事やってるようなもん。いくらファッションセンスが良くて格好良くても、ド素人にクスリ調合してもらおうとは思わないでしょ?でも悲しい事にこれが美容業界の真実なんだよね。そこらへんに放り出してるパーマの薬液、アレ飲んだら確実に死ぬって知ってる美容師は何人いることか。なんのために国家試験まで受けてるのかちゃんと考えてほしいよね。

「じゃあ安全で信頼できる美容室は一体どうやって探せばいいの? 」って言われるかもしれない。残念ながら僕にもわからない。そんな美容室は恐らく存在していない。


安くなったもんだ



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