
今日はゲームの事書くから長いよー。
今後ゲームはオンラインの恩恵を受けて未完成のまま発売される怖れがある、と先日書きました。未完成というのは確かに困るわけですが、発売スケジュールがきっちり守られるというのは多くのゲームファンにとって嬉しい事でもあります。ドラクエやゼルダの発売延期に僕らは何度泣かされてきたことか。半年〜1年にも及ぶ延期はもはや恒例行事と化していますからね。
で、我が愛するゼルダのGC版なんですが、今回に限っては任天堂が自信満々の口調で「必ず年内に発売します」という力強いコメントを出しています。まず初めにカセットからDVDにメディアが変更されたため、ROMの供給状態に発売スケジュールが左右されなくなっていること、そして64ゼルダで既にゲームのメインエンジンは完成されていること、この2つが大きいと思われます。カセット時代は、大量在庫を抱えないために常に少なめの売れ行き予想を立ててROMの確保を行なっていました。そのため予想を上回る売れ行きだった場合増産が全く追いつかない、逆に売れなかった場合は大量在庫が発売直後に投売りされる、また市場でのROMの流通量が十分でない場合は、発売時にまとまった本数を提供するために延期せざるを得ない、などの弊害がありました。DVDはこれらを全てクリアできるようになったのです。後者(メインエンジンに変更なし)については僕の予想でしかないんですが、これだけはっきりと発売時期を明言した前例はないので、ほぼ間違いないんじゃないかと思ってます。もちろん希望としてはこの予想を覆して驚異の新システムが誕生することを願っているんですけど。
ちょっと前フリ長くなりましたが、今日は発売前でも出来るインチキレビューをやろうかと思います。まだグラフィックしか見てないんで、そこだけのレビュー。
一見してわかるとおり、古き良きアニメーションの味を追求したグラフィックに一変してます。およそ3Dポリゴンが誕生して以来、ゲームグラフィックが目指したのは現実そのままの写実的映像でしかありませんでした。そこにこのカートゥーン風ポリゴンが登場してきた意味は物凄く大きいと思うんです。僕が忌み嫌ってる3Dドライビングゲーム(シミュレーター)のように「現実」の世界を模倣するゲームはとことんまでリアルを追及すればいいでしょうけど、そうじゃないものはもう、いわゆるリアルの追求やめようよと、そんなメッセージを強く感じるんですよ。
もしも狭義の「リアルの追求」こそが全てのエンターテイメントの目指すべき道であるなら、今のジャパニメーションの隆盛なんて有り得ないわけです(実写に近い『千と千尋の神隠し』なんて見たくありません)。エンターテイメントにおけるリアルの追求とは、現実世界に近づける事ではなく、ひとつひとつ違う仮想世界の中だけに存在する「リアル」を生み出すって事だと思うんです。リアルとはその仮想世界の整合性を保つための血肉だと思うんです。だから現実そのままでなくてもいい。このグラフィックはゼルダという世界を構築する上で、実は最もリアリティーに溢れた方法論だと確信する所以です。
現在テレビで放送されているアニメーションには3DCGを駆使したものが多く見受けられます。しかしこれらの多くは未だに現実に引きずられて、その世界の「リアル」をぶち壊しているに過ぎません。3DCGの部分だけアニメーションから浮いちゃってるんです。古き良きアニメーションの理解者が望んでいるのはそんな事ではありません。正に今回ゼルダが提示してみせたような「アニメそのものの立体化」を望んでいるんです。
僕が最近の3Dゲームに最も違和感を感じていた「ゲーム部分とムービー部分の分離」もこの方法論で全て解決することになります。鉄拳や鬼武者をやり込んだ人たちの多くは「このムービー画面の画質でプレイが出来たらどんなにすごいか…… 」と思ったに違いありません。それも将来的には可能になるでしょう。しかしハード性能のおかげでそれが可能になったとしても、今行なわれているムービー製作と同じ莫大な労力が必要とされる事に違いはありません。ごく一部の巨大ゲームメーカーしかそういうムービー画質ゲームを作る事は出来ない以上、バラエティに富んだ豊かなゲーム市場は高画質によっては決して実現しないのです。映画版ファイナルファンタジーという究極の写実を目指したスクウェアと、竜ノ子プロ的アニメーションの立体化を目指した任天堂。実に対照的であります。
この発想の転換、いわば大いなる実験を自社最大級の売れ筋ソフト『ゼルダの伝説』にぶつけてきた任天堂の決断を、僕は最大級の賛辞で迎えたいと思います。諸君!! 買いたまへ。やりたまへ。歴史の証人になりたまへ。
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