
すごい今更だけど『かまいたちの夜2』を終わらせた。金の栞にして、バグに見せかけた4つの選択肢も全て見た。勢いこんでいつものゲームレビューといきたいんだが、これは最早ゲームではないからね。ちょっとどう評価していいのか迷う。もうサウンドノベルというジャンルはゲームと別個に考えるべき時期に来ているのかもしれない。
既に『かまいたちの夜2』の評価はそこかしこで見聞きしているのだが、僕が見る限りでは総じて低評価だ。これはゲームとしての評価とサウンドノベルとしての評価がごっちゃになっているからだと思う。ゲームとして語ればサウンドノベルはどれもクソつまらないに違いない。そこにはゲームをゲームたらしめる「ルール」の存在がないからだ。『かまいたちの夜2』を語る言葉としては次のようなものが散見された。
チャートが導入されたために、単なる「作業ゲー」に堕している。
残酷描写がひどすぎる。気分が悪くなる。
前者の言説に関してはあまりにも的外れだと言わざるを得ない。サウンドノベルの本質は正に作業であって、用意されたセリフ、エンディングを隈なく網羅する事が唯一の目的だ。せっかく買った本を、一部分だけ読まずに捨てる人はいない。この「読む」という行為を「作業」と捉えるのはゲーマー的視点であって、サウンドノベルをこの視点から語るのは無意味なのだ。
僕はむしろチャートの導入はサウンドノベルの正しい進化、あるべき姿だと思う。3Dダンジョンものも最近のものはほとんどマップが自動作成される。『ウィザードリィ』の時代には自分で方眼紙を買ってきてマップを作成する事が当たり前だったし、その行為自体が楽しかったのも事実だが、そのような楽しみは『ウィザードリィ』というゲームの本質とは無関係だ。だからこそ3Dダンジョンはマップ自動作成システムへと進化した。サウンドノベルも物語の分岐を自分でメモしていけば、ストーリーの取りこぼしはなくなる。むしろこれを強いる方が「作業ゲー」と呼ばれるに相応しいわけで、それを楽しいと感じる者はチャートを利用せずに自分でメモしていけばいいだけの話なのである。「読む」行為を「作業」と捉える者にサウンドノベルをプレイ(?)する資格はない。
後者に関しては好みの問題なので何とも言い難い。僕が見た限りではそれほど酷いとも感じなかったのだが、ダメな人にはダメなのだろう。ミステリだと思って観たら、実はスプラッタームービーだったという不幸なパターンである。しかしサウンドノベルをミステリとして読むのも問題アリだ。いわゆる謎解きを軸とするならばサウンドノベルというシステムは成立しない。あっと驚くトリックはそう幾つも用意出来るものではないし、犯人当てが全てになってしまったらマルチエンディングは意味を為さなくなる。また、プレイ自体もまどろっこしいフラグ立てに終始するし、ストーリーを楽しむどころではなくなる。ストーリーが楽しめないサウンドノベルは最早サウンドノベルではないだろう。それはアドベンチャーゲームという枠内に収まるべき代物だ。
となると、『かまいたちの夜2』で語るべきは個々のストーリー自体の面白さという事になる。しかし残念ながらこれに関しての僕の評価もまた低いのであった。「わらべ唄篇」はさすがに本筋であるので、それなりに良かったが「底蟲村篇」「サイキック篇」「陰陽師篇」はお世辞にも面白いとは言えない。面白いのはどれもふざけたバッドエンディングばかりであった。また、「妄想篇」や「バグに似せた最後の謎の4択」など、プレイヤーの日常を揺るがし、自分自身の精神がおかしくなったのかと疑わせるメタストーリーも失敗だと思う。これなら『メタルギアソリッド2』や『サイレントヒル2』の方が数倍恐かった。下手に恐がらせようとしない方がサウンドノベルは面白いのかもしれない。それともうひとつ。「サウンドノベル」というジャンル名に回帰せよ、だ。ビジュアルに頼るのであれば、ムービー垂れ流しで十分だ。65点。
「なんだ、結局低評価なんじゃん」って言われそうだが、的外れな評価が多かったので一言言いたくなったのである。さー次は『スターフォックスアドベンチャー』だぞ!
MENU
冷麺最新5件の記事
冷麺最新3ヶ月
Amazonトップセラー