
石井館長の言葉。「ホーストが負けたらK-1のこの10年は一体何だったんだということになる
」
先日僕が望んだ事が現実になった。10年かけて築き上げられたK-1の威信は、格闘技を始めてたった半年のズブの素人によって粉々に砕かれた。
何にも置いて重要なのは、素人であるボブサップが現時点で既に世界最強レベルにあるという事であり、獣は何をせずとも生まれながらにして強いという事である。今回の試合でサップの弱点は全て露呈している。即ち「スタミナ不足」「ローキックが捌けない」「パンチが不正確」「キックが出来ない」。これだけ見ると欠点だらけのド素人だ。しかしこれだけの素人が、”ミスターパーフェクト”アーネストホーストの右ストレート、ローキックをまともに受けて、倒れなかった事の方が重要なのだ。ノゲイラが先日辛くも勝ちを拾ったのを見てもわかるとおり、現時点でサップに勝つ事は決して不可能ではない。また、K-1決勝GPのようなトーナメント方式では恐らくサップが勝ち上がる事は難しいだろう。序盤からクリンチしまくり、アーツのような首相撲を多用し疲れさせ、ブレイクの声がかかる前に自ら離れつつローキック。足が止まった所に執拗にローキック。K-1ならこういった戦法が有効なのは間違いない(但し、身長差15cm以内、体重差60kg以内という条件付きだが)。
真っ向勝負を挑んだホーストの(ホーストが挑んだと言うのも可笑しな話だが)、男としてのプライドはいくら賞賛してもし足りない。また、出血によるTKOはホーストの完全な敗北とは言えないかもしれない。しかし今後もワンマッチメイクの喧嘩では、ホーストがサップに勝つという事は僕には想像出来ない。サップはこれからスタミナをつけ、ローキックの受身を覚え、正確なボクシングテクニックを習得し、蹴りを使えるようになるだろう(僕はそれを望んでいないが)。GPの1回戦でローキックを受けまくり、満身創痍のサップが2回戦で誰かに敗れたとする。たまたまトーナメントの組み合わせによってサップと当たらなかったホーストがGPで優勝したとして、それに何の意味があるだろう。K-1の王者に着く事が重要な事だとは僕には全く思えない。それはあくまでもK-1という「技」の王者に過ぎないのであり、「世界最強の男」を名乗る資格を得る事にはならないからだ。
僕が心に描く「世界最強の男」という幻想は「時間無制限、完全ノールール、1対1の素手の喧嘩世界一」に他ならない。これに最も近い男は間違いなくボブサップだ。そしてもうひとつ、ホーストのローキックに決して心を折られなかったサップは、ノゲイラと同じ意味で世界最強なのだ。
シュルトに体重を増やしてもらいたい。サップとの160kg対決を見てみたい。
格闘技は本当に死んだのだろうか?
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