
クリアしたのは年末なんだけど、なんとなく書く気がしなくて……。というテンションからご想像の通り、点数的にはあんまりいい点あげられない。85点くらいかな。でもこれは「ゲーム」としてではなく「ゼルダ」シリーズとしての点数と思ってもらいたい。期待が大きすぎた。また、そういう期待の中でこれだけ完成度の高いゲームを作った任天堂製作陣には拍手を送りたいと思う。
まず良かった点。
カートゥーン とにかく絵が綺麗だって事はそれだけでプレイ意欲をかきたてる。FFみたいにリアル志向の絵を目指すとどうしてもキャラと背景、またはプレイ時とムービー時のギャップが気になるが、そういうところが一切ないのがいい。正に「自分で動かすアニメーション」といった感じ。
敵キャラのアルゴリズム 毎回驚かされる部分だが、今回は特に剣を持った馬面戦士(名前わかんねえ)の作り込みが素晴らしかった。戦闘自体が楽しくて、もっともっと敵と戦いたいと思わせる。戦闘と言えば、リンクの連続攻撃や特殊攻撃のシステムも出色の出来だった。こういう部分は他メーカーが作るととかく複雑な操作系になりがちだが、実にシンプルで合理的なシステムに仕上がっている。ド下手糞でもそれなりに「今の攻撃はかっこよかった」とか、上級者なら「だんだん思ったとおりの攻撃パターンが出せるようになってきた」とか思えるのがいい。
カメラワークと操作感 これは64時代以上に良くなっている。3Dアクションゲームの核となる部分なので、ここで妥協しているようなゲームはダメダメだ。そういう点、ゼルダは最高峰だと確信をもって言える。
ダメな点。
唐突なストーリー 散々他の所でも言われているだろうが、感情移入させるための丁寧な伏線などがほとんど無い。突然「え? あんた誰?」的なキャラが現れて、しかもそいつが最重要キャラだったりする部分に閉口した。宮本茂氏(神)は「ゲームにストーリーなんて必要ない」とまで言い切るが、ないよりはあった方がいい。心に残る名作は、ゲームとして優れているものより、ストーリーに感銘を受けたものだったりするしね。『風のタクト』はゼルダシリーズ中最もストーリー的には面白くないと言わざるを得ない。
能天気な世界観 能天気というか明るすぎる世界観(主にグラフィックデザイン面)が少し気になった。これは好みの問題だからどうでもいいと言えばいいんだが、マリオが底抜けに明るい分、ゼルダは伝統的に少しダークな世界観が「良さ」になっている。しかし今回は舞台の大半が海という開放的な空間だったためか、全体的に見てダークさが足りなかったように思う。これは僕としては残念だ。
お使い要素とストーリーとの乖離 一番ダメなのはラスボスがいるダンジョンに行く前に延々と宝探しをさせられるところだ。ストーリー的にはラスボスに向かって徐々に盛り上げなくてはいけない部分なのに、宝探しの時間が長すぎて緊張感を全く維持出来ない。「一本道」のストーリーと、「自由度が高い」ストーリーの時間配分が決定的に失敗しているのだ。理想的な時間配分は多分こんな感じだろう。序盤(一本道)が2、中盤(自由)が5、終盤(一本道)が3。『風のタクト』の場合はこうなっている。序盤(一本道)が3、中盤(一本道)が3、中盤(自由)が3、終盤(一本道)が1。これでは盛り上がりようがない。プレイヤーに意識させずに上手くストーリーを進めるには「海」というシステムは荷が重かったという事だと思う。
ボリューム不足 ダンジョンの数を考えるとボリューム十分なはずなんだが、謎解きがいつもより楽勝だったのと、先ほどあげたストーリー展開のまずさから、どうも「え? もう終わり?」感が拭えない。謎解きの難易度設定は難しいところだ。熱狂的ゼルダファンに合わせれば初心者がついてこれなくなるし、初心者に合わせれば従来からのファンには物足りなくなる。今回の難易度はゼルダファン開拓のためにはちょうど良かったのだと思う事にしよう。
なんかダメな所だらけのように思えるが、あくまでも「ゼルダ」に対する評価は他とは違うんだということを言っておきたい。「ゲームとしての完成度」がいくら高くてもそれだけでは満足しないのがゼルダファン。逆に言えば、凡百のゲームが束になっても敵わないのがゼルダなのである。次回作に期待。
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