
「なんやとワレ、パイ見せくらいでごちゃごちゃ抜かすなヴォケ! おうリェーナ帰るど。さっさとせんかいデブ!」
控え室にて。
「ユーリャちゃん、ほんまに帰ってまうの?」
「あほんだら! 何いちびっとんねん。帰るゆーたら帰るんじゃヴォケ!」
「あんなー、うちなー、こんなんゆーたらユーリャちゃん怒るかもしれんけどなー、せっかく日本来とるんやさかい、やっぱ歌いたいんよ。なー、考え直してくれへん? ユーリャちゃん」
「じゃかしわデブ! 歌が歌いたい? 何寝言抜かしとんじゃ! わしら、ビーチク出してナンボちゃうんかい! ええか? TVの前には何千万っちゅーお客さんがおるんや。おまえにはそれが見えてないぃ。わしらTVの前で今か今かとハプニング待っとるお客さんの期待を裏切るわけにはいかんのや! それが芸人の魂ちゃうんかいっちゅー話やこっちにしたら」
「それはそうやけど……。スポンサーとかいろいろあるやん……」
「ボケェ。スポンサーなんか関係あれへんがな。わしら舞台に立ったらお客さんとの1対1の勝負や。食うか食われるかの真剣勝負や! TVの前のお客さんが真面目に歌うとるわしら見て「タトゥーはんもえろう丸ぅなりましたなー」ゆーてるとこが想像できひんのか!? この世界、一度落ち目になったら二度と浮かび上がれんことくらいわかるやろ? 麻雀放浪記の名古屋章もゆーてたやんけ。……オドレも思い出さんかい。汗で張り付いた白Tにビーチク! お客さんのちぃと気色悪い笑顔! あの時の客席との一体感、忘れたとは言わさへんで!」
「あんなー、うちなー、ほんまはアレ、むっちゃ恥ずかしいねん。そらユーリャちゃんはええで? スタイルええもん。うちがあの格好するとほんま白豚やん。そんなんうちもういややわー」
「オンドレそれでも芸人か!? ……もうええわ。ほんまオドレとはやってられへん。あーもうええ。帰らさしてもらいますわ。PV撮影もなしゆーことでお願いしますわ」
「マネージャー、なんとかしてえなあもう……」
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