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2003年07月03日

行間というオカルト

世の中には何を書いても薄気味悪い文章になったりする人がいてとても憧れる。薄気味悪いというのは「うわ! こいつキモッ」とかいうことではなくて、淡々と抑えた文体で情景描写などをしても、何か背中がぞくぞくするような薄気味悪さが漂うということで、古典でいうとディケンズの『信号手』などがそれにあたる。

ディケンズは幼少の頃に鉄道事故に巻き込まれたことがあり、その体験が文章に大きく影響していると言われているのだが、それではちゃんとした説明になってない。それは言われてみて初めて「ああ、やっぱりそうだったんですか」と思う類いのオカルト的付加情報であり、「なぜ読者が、一見何の変哲もない抑えた文体の情景描写から薄気味悪さを感じるのか」という問いに対する答えにはなっていない。

文章の内容とは無関係に、いわゆる行間に「薄気味悪さ」や「暖かさ」を自由自在に漂わせる方法が技術として確立できたら……、と、いつも思う。それは技術ではないからこそ畏怖を抱かせるのかもしれないが。



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