

マリンアクティビティも楽しんだ。美味しい料理も食べた。のんびり優雅にプールサイドでくつろいだ。でも観光してないじゃん、って気持ちがあったので、最終日は少し、自分の足で歩こうっていうのをテーマにしてみました。本当はウブドという山間部(?)に足を伸ばしてみたかったのですが(ウブドにはバリの文化芸能が集中していて、牧歌的な田園風景とあわせて日本人にものすごく人気がある)、往復すると移動時間だけで3時間くらいかかるということで断念。その代わりに、これぞバリ! ザ・バリ! といった感じのクタに行きました。ここはバリがリゾート地として人気が出始めた頃からヒッピーたちに愛されてきた土地で、特に初期から現在に至るまでサーフィンのメッカとして有名です。一言で言うなら猥雑、怠惰。ここが好きになれないなら、アジアンリゾートは全部ダメなんじゃないの? って感じの場所です。
お土産を買うのももうひとつの目的でした。空港の民芸品店とかDFSのブランド品じゃつまんないじゃないですか。やっぱ現地に根ぇ張ってるお店で買いたい。で、俺は木彫りのガルーダとバロンが欲しかったのでコレを重点的に探すことにしました。だって女神転生とかやってたら絶対バロンとガルーダ欲しくなる(小二脳)!! 嫁さんはバティックというインドネシアのろうけつ染布(書いてて意味わからん)を探すことに。

お土産物屋はボってるところが多い(その代わり値切るのも簡単)ということを先日運転手を務めてくれたコンボン君に聞いていたので、まずはマタハリデパートというところに行きました。ここはクタで一番大きいデパートで、民芸品なども置いています。値札が予め貼ってあるので、言い値でボられるということはありません。中に入ると果物売り場に目を奪われました。毎朝ホテルのバイキングで2個3個とちょろまかしてカバンにこっそり入れていた(せこっ)あのサラックが山のように積まれてます! 値段見てびっくり。1kgで70円だって。なんだそれ。100kgくらい買って家に持ち帰ろうかと思いましたが、果物を含む植物類は検疫でひっかかると面倒な事態になるのであきらめました。それにしても安い。アジア旅行はフルーツ食わなきゃ絶対損ですよ。日本でフルーツ買うと死ぬほど高いでしょ。
マタハリの民芸品売り場にロクなものがないことを悟り、一旦外に出ることにしました。通りに出ると異常なくらい日本語で話しかけられます。「マニキュア! マニキュア! 三つ編みやるよ!」「タクシー? タクシー呼ぶ?」「コンニチワー、どこ? どこ行く?」「おー、オネエサンカワイイねえ。帽子だけは」(!)。もうウザいったらありゃしない。いちいち笑顔で応えるとつけこまれるだけで一歩も前に進むことができないので、ここは”日本人ではないフリ”で切り抜けねばなりません。ガイド本にも書いてあったのですが、自分が中国人だと思い込めば、何を話しかけられてもわからないのだから無視してもいちいち心が痛まない。

しかしここで弱気の虫がちょっと出まして、あまりにも話しかけられるのがウザくて、一旦マタハリに戻ることにしたんです。マタハリは普通のデパートなので押し売りされることはありませんから。で、さっき入った裏口的なところではなく、正面玄関の階段をのぼって店に入ろうとしたとき、一人のバリ人がスピードくじのようなものを俺たちに手渡してきました。ユニフォームのようなポロシャツを着ていて、マタハリの従業員に見えます。
「デパートがやってるスピードくじかあ。ま、どうせハズレっつーかロクなもん当たらないんだろ?」と思い、速攻でくじをポケットにしまい、マタハリの中にずんずん進もうとすると、くじを手渡してきたバリ人が呼び止めてきます。「チョットマッテー。くじ見てみて。これ、すぐ当たりわかる」。開けてみると、俺のくじはTシャツが当たってました。いらね、こんなもん。嫁さんが開いてみると、なんか変なバツ印が3つついてる。はあ、こっちも外れね。はいはい、残念残念。と、思った瞬間バリ人のテンションがマックスに! 「おめでとー! やったー! これ、当たり! すごい! 見て! これ見て! ここよく読んで! ほら、当たり やったー! これ当たると、私にも20ドルのボーナス入る。あなたが当たって私も幸せ。やったー! おめでとう。ありがとう。おめでとう。ありがとう。私の給料1ヶ月で50ドルね。今日一日で半月分の給料よ。あなたのおかげ。あなた本当に運強いねー。よかったねー」。
スピードくじを俺たちによーく見せ、その賞品がいかにすごいものであるか、この当選がいかにレアなものであるか、人懐っこい笑顔で一生懸命になって説明してきます。まあ、よくある当選詐欺だろ? と思って最初は聞き流してたんですが、このバリ人がもうどう見てもイイヤツなんですね。もしも嘘ついてたら、この世に信じられるものなんて何もねえだろっていうレベルの誠実そうな20代前半のバリ人男性(もちろん鼻毛出てる)。
写真がそのスピードくじなんですが、英文を超テケトーに意訳してまとめるとこんな感じになってました(本当にテケトーなのでいちいち訳文の間違いにつっこまないでね)。
おめでとうございます! あなたはXXX当選者です。
以下の賞品のうちどれかひとつがあなたのものになります。
- アラスカ、カリブ、ギリシャ、オーストラリアいずれかの2週間クルーズ旅行
- 額面250ドルの商品券
- 豪華リゾートの1週間宿泊
- バリへのファーストクラス往復航空券
賞品をゲットするための方法
ジンバランにある私たちのビーチリゾートにガイドを同伴してきてください。賞品はすぐにゲットできるようになっており、28歳から68歳までの夫婦ならOKです。未婚のカップルの場合、1年以上一緒に暮らしていればOKです。この当選には一切お金はかかりませんし、何の義務もありません。賞品は私たちのホリデープロモーションを1時間聞いていただいた後にお渡しします。あなたに会うのを楽しみにしています!
って、そんなもん信じられるわけあるかーーーーーーっ!!!! こんなおいしい話が転がってるわけあるかーーーーーーーー!!!!!
「あやしい。絶対あやしいよこんなもん。あるわけねえじゃん絶対」。
「いや、アヤシクナイヨ! 本当アヤシクナイヨー。本当、信じて。私、このジンバランのホテルの従業員。ほら、ネームプレート見て。絶対。嘘つかない。ホテルには日本人の従業員いる。だから安心。だいじょうぶ。絶対。本当にコレ当たったよ。ラッキーよ。私にも20ドルのボーナスよ。ホテルに行って、1時間話を聞くだけでコレもらえる。ほら、ここに書いてある。当選者にはお金一切かからない。義務も何もない。1時間、ホテルの宣伝の話聞くだけ。これホント。絶対。嘘だったら私クビになるよ。1時間。1時間だけあればこの賞品、あなたたちのもの。私と一緒にホテル行くだけ。ホテル近いよー。ここからタクシーで5分。タクシー代要らない。ホテルが払う。帰りのタクシー代も大丈夫。ホテルが払う。お金、1円もかからない。大丈夫。絶対」。
む、むぅ……。んーーーーーー……。
ひっぱりにひっぱって、続く☆
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